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​日本酒一本を売る難しさを知る

 飲食店の販売促進の会社に在籍中に、父の実家の酒蔵を継いだ従兄より連絡があり、営業を手伝って欲しい旨を伝えられました。それまで、様々なモノを売ってきたので、「簡単に売れるだろう!」と考え、軽い気持ちで引き受けてしまいました。

しかし、いざやってみると、全くお酒が売れません。昔ながらの慣習、古い時代のしきたりもありますが、何よりも一番は首都圏でのお酒の趣向に合ったものじゃないと、見向きもされませんでした。そこから勝負が始まりました。とにかく、今、売れているお酒を一通り飲みました。
 酒蔵に対して、今、人気のあるお酒の味を知ってもらう為に、お酒を送ったりしました。送った後、そのお酒の感想を聞き、お互いの情報交換をしながら酒造りに反映させていきました。

酒が発売される度に酒販店の社長に試飲をしてもらい、少しずつ味を首都圏で受ける味へと変化をさせていきました。
変化を重ねるうちに売上にも結び付いていきました。
結果的には、この酒蔵のお酒は某雑誌のその県を代表する銘柄の一つに選ばれるレベルまで持っていく事が出来ました。

市場を知ることの大切さを痛感する

 元来日本酒というのは、造られている酒蔵のある地元で売れる事で成り立っていましたが、時代の流れによって、人が地域を離れ都心に集中するようになってから各地方の酒蔵が地元の売上だけでは成り立たなくなり、首都圏への進出を考えるようになりました。

 しかし、今まで地元で売れるお酒しか造ってこなかった酒蔵が、そのまま今までと同じお酒を首都圏に持ってきても売れるはずがありません。なぜならば、その地域毎に受け入れられる味や香りというものがあるからです。それをしっかりと調べ、その受け入れられる味を確認した上で、自社の特徴を合わせ持った日本酒を造っていく事が大切だと私は考えます。私は、その事を父の実家の酒が首都圏に進出する際に痛切に感じました。

 これらの経験を、少しでも他の酒蔵に役立てていきたいと考え、今では複数の酒蔵の営業代行として、首都圏の販路拡大の為に日々営業回りをし、そしてお客様の生の声を知る為に、百貨店や酒屋、物産展の試飲即売会の現場に立っています。

​現在の活動

 現在は、個人事業として複数の酒蔵と契約をして営業代行業を行いながら、契約酒蔵の販路拡大の一環として、都内で日本酒のイベントの企画、運営や取引先の酒販店や飲食店の売上向上につながるアドバイス等を行っています。

 また、海外にも目を向け、日本酒の輸出を行う際のアドバイザーとして、活動を始めております。

 その他、日本酒をより多くの方々に知ってもらう為に、日本酒講座を開催するなど、日本酒に興味を持って貰えるようなイベントや仕組みを構築しています。

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